

PRODUCT
産業用防振ゴム
原理 その①
1防振ゴムの原理と振動伝達率
機械の運転により発生する振動を、基礎に伝えない様に防振対策をする場合(図-1)と、基礎に振動があって、その振動が機械に伝わらない様に防振対策をする場合(図-2)に、防振ゴムが使われます。

機械を防振支持した時、機械の加振力をF0(又は基礎の強制振巾a0)とし、基礎に伝わった力をF(又は機械の振巾a)とします。この伝わった割合を伝達率といい、(1)式で表されます。

(1)式をグラフ化したものが、図-3の振動伝達率曲線です。
図-3振動伝達率曲線

原理 その②
2振動数比と、防振効果
振動伝達率は、機械の強制振動数と、防振支持した時の固有振動数の比で決まります。

通常、N/fは2~3に選びます。
3防振支持した時の、固有振動数の求め方
固有振動数は、機械の重量と、防振ゴムのバネの定数により(2)式で求められます。

(1)式をグラフ化したものが、図-3の振動伝達率曲線です。
図-4

機能
防振ゴムとは振動の伝達波及を防止するために用いられるゴムのことですが、ゴムの特性として緩衝、防音の面にも優れた効果を兼ねそなえていますので、防振ゴムは「防振、緩衝、防音」という三つの目的に用いられます。
1防振
防振とは、機械から発生する振動が外部に伝達するのを少なく、あるいは外部からの振動伝達を少なくすることです。
そのためには、防振支持した振動系の固有振動数を加振振動数に対し適当に低く選ぶ、すなわち、適度に軟らかいバネで支持することが必要であり、弾性体で適当に支持することにより振動伝達を少なくすれば、防振の目的を達することができます。
以上の防振目的を達成する材料としてゴムが非常に適した材料である理由は、
1. 部品が簡単かつ小型、1個の部品で「3方向」のばねとして使用できること。
2. 共振時の振幅が金属ばねと比べ小さいことなどの特長をもつからです。
2緩衝
緩衝にゴムを用いる理由は、以下のとおりです。
第一に、ゴムの弾性を利用することによって、衝撃を受けた瞬間、その衝撃を加えたものの速度の急変を緩和することができるという点です。
第二に、ゴムは圧縮された場合、始めは比較的容易にたわみますが、一定の限度を過ぎるとたわみにくくなり、換言すれば、急激にバネ定数が大きくなる性質を与えることができる点です。これにより、大きな衝撃エネルギーを吸収することができます。
第三に、ゴムが衝撃後の振動をできるだけ早く減衰させるという、減衰効果を有する点です。この減衰性能は金属バネに対し、高い減衰性能を持っております。
3防音
音の伝達径路は、音源から直接空気中に伝わる空中音と固体部分を伝わって伝達される固体音に二大別されますが、防振ゴムは一般に固体音を遮断する防音効果を有します。これは金属板からゴムに音響エネルギーが入ろうとする場合、両者の間に大きな音響抵抗の相異があるためその大部分が反射されてしまうからです。
主要単位のSI単位への換算係数

( )内の数字は変換例
※SI単位とはInternational System Unitsの略で国際的に統一された単位。
N (ニュートン)、Pa (パスカル)、J (ジュール)、Hz (ヘルツ) 等を使用。
保守管理
1防振ゴム取付け上の注意事項

1. 各部のたわみ量が均一となるよう配置すること。
2. 防振ゴムを取付け時に異常変形を生じさせないこと。次のような点に注意してください。
(ア) 防振ゴムが圧縮されすぎないこと。適正な圧縮量になるよう選定されていても、図1のように取付けの架台が曲っていると、異常な圧縮状態となります。異常な圧縮状態とは、一般に静的な状態でゴム厚さの20%以上の変形を生じることです。
(イ) 防振ゴムに静的状態で引張りがかからないこと。選定上は引張りがかからなくとも、架台の曲りや不平行状態の取付け方法により、図2のように引張状態となることがあります。
(ウ) 防振ゴムが図3、図4のように取付け時に、異常に捩られたり、せん断変形された状態にならないこと。異常変形とは、捩りの場合は外周の捩り変位量がゴム厚の20%以上の変形を生じること、せん断の場合は変位量がゴム厚の20%以上の変形を生じることです。
3. 防振支持する機械と原動機は、共通架台に載っていること。図5のようにVベルトで駆動された機械を防振ゴムで支持することは、さけて下さい。
4. 防振ゴムが取付けられた機械の配管は、可撓部をもった構造とすること、コンプレッサー・送風機・ポンプなど配管のある機械は、配管の一部に可撓美がないと配管を伝わって振動が伝達されたり配管の剛性によって振動が大きくなることがあります。
5. 防振パッド、クッションゴム等のゴム部を床や壁面等に直接設置した場合、ゴム内の薬品が移行して設置面を変色させることがあります。変色をさける場合は、直接触れさせずに、金属板(SUSなど)を間にはさみこむよう設置して下さい。
2使用上の注意事項
1. 防振ゴム保管、輸送中の注意事項を遵守して使用すること。
2. 使用中に許容荷重を超えないようにすること。
3. 油脂類あるいは酸アルカリ等の有害薬品の附着を避けること。
4. 使用中の雰囲気温度及び伝達熱は60℃を超えないこと。
5. 下記のネジ締め付けとトルク推奨値の範囲内でネジを締め付けること。

6. 水中及び海水にさらされる場所を避けること。
7. 定期点検を必ず実施し、異常の有無を確認すること。(異常とは、金具とゴムの剥離、ゴムの割れ、金具の腐蝕及び割れ等を指します)
3防振ゴム保管、輸送中の注意事項
1. 直射日光にあたらないようにするとともに通風の少ない冷暗所に保存すること。
2. 保管及び輸送中の温度は40℃以下とすること。
3. 油脂類あるいは酸、アルカリ等の有害薬品にふれないようにすること。
4. オゾンの多い場所に放置しないこと。
5. 水分の多い環境に放置しないこと。
6. 過度の積荷等の外部からの力により損傷しないようにすること。
7. なるべく納入後1年間以内に使用すること。
4防振ゴムの交換
防振ゴムはその使用方法により交換基準は一様ではありませんが、次のような状態になったときは交換の目安として下さい。
1. ゴムに深さ5mm以上の亀裂が生じた場合または亀裂により空気が漏れてしまう場合。
(エアーダンパー・ハイブリッドエアダンパー)
2. 金具とゴムの剥離が生じたとき。
3. ゴムのへたりが生じたとき(へたり量が初期の変形より進行し、ゴム厚の30%以上になったとき)。
4. ゴムが油などで膨張した(ふくらんだ)とき。
材料及び公差
1ゴム材料
JIS k 6386(防振ゴムの材料)種別A又はCを使用しています。

2金具材料
SPHC相当品またはSS400相当品を主に使用しています。
エアーダンパー・ハイブリッドエアダンパーはアルミ板などを使用しています。
※引用元:
SPHCはJIS G 3131を参照ください。
SS400はJIS G 3101を参照ください。
3寸法公差
ゴム部分を含んだ寸法の公差

ゴム部分を含んだ寸法の公差

原理その①②
機能
保守管理
材料及び公差
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